16女のさくらちゃんとか、今は亡きL華激団の面々が生きていたら狂喜乱舞する所ですよ。かつて三歳にされた事がある私が言うんだから間違いない!
でも他の姉妹に比べて、今のところキャラが弱すぎるのが最大の欠点なのはともかく。
ホテルで荷物を受け取り、レイホウさん・るぅりん・もつさんと別れて一人取り残されてしまった私。
どうしようかなーと思案しながら、東大門のマーケットを一人でウロウロしてみます。

道路交通法が存在しないのであろう露店配置
ぐるぐるぐるーりと人でごったがえす露店街を歩き回ります。
大きな荷物を持っているせいで、露店によって極端に狭くなっている通路を通るのも一苦労です。
すごいんですよ。歩道の9割が露店で塞がれていて人がすれ違う事も出来ない場所とかあるんです。韓国の道路、フリー過ぎ!
一時間も見て回っているとさすがに疲れてしまいました。重い荷物持って露店巡りなんてするもんじゃない!
もう膝が笑っちゃいそうな感じでガクガクしてきたので歩いて見回るのは断念。歩き回らなくても良い観光先を考える事にしました。ミョンドンもインサドンも南大門も、街を見るなら歩いて周る事が前提です。名所史跡もそこへの移動はよくても、内部を見るときは歩き回らねばなりません。
歩かなくて良い場所といえば――カジノか!
カジノならどのテーブルにしようか見るときくらいで、基本的に歩き回ることもありません。一日目に行った時も思ったよりオープンな感じで怖い所じゃありませんでしたし。あそこは24時間営業なので閉まっているという心配もありません。これは良いアイデアかも!
よし、カジノに決めた!
決めてしまえば行動は迅速です。カジノへの移動は、思い切ってタクシーにしてみました。
と、勢い込んでタクシーに乗り込んだのはよいのですけれど、しかし……言葉が全く通じません。辛うじて有名な英単語がわかるくらい?
ウォーカーヒル、ウォーカーヒルと言っても発音が違うのか、よく分からない様子。地図を見せて「ここ!」(韓国語で言うの忘れてた!)と言いつつふと思い出してカジノと言ってみたら「あぁ、カジノね! カジノカジノ! 最初からそう言えよ!」とでも言ってそうな感じでニコニコ顔になりました。
よかった、意思疎通できた!
言葉は殆ど通じませんでしたけれど、道中「東大門マーケット」「ソウルタワー」とか指を指して教えてくれました。移動距離が長かったのと昼間で道が込んでいて時間が掛かった事もあってか、途中でアメをくれたりもしました。気のいい運転手さんだ!
降りる時にチップとして多目に料金を渡そうとしたのですけれど、いいからいいからという感じで料金分だけしか受け取ってくれませんでした。運転手さん、すごくいい人っ!
とにもかくにもカジノへ到着。何をしようかしらんと思案しますが……やはり、テーブルゲームをやってみたい! 負けるというのは分かっているのですけれど、それでも一度くらいはやってみたいじゃないですか。乙女的に。
昼間に行った事もあってか、一日目の夜に行った時には空いてなかった最低レートの低いテーブルが空いていました。そんなわけで最低レート1万ウォンのブラックジャックをプレイ。
正直、どんなカードが来たのかとかは覚えていないのですけれど、勝率は負けて・負けて・勝って・負けてくらいの割合?
確かに一回は勝ちましたけれど、なんか「全敗だと怪しすぎるからちょっとは勝たせて見せるよ、でもあんまり金注ぎ込まなそうだしほんのちょっぴりな!」みたいな感じでした!
ま、まぁるぅりん程は負けてないよ! ……たぶん!
そんなこんなでそろそろ良い時間になって来ましたので韓国観光はここまでにして、空港へ向かうことにします。
カジノで足も休まりましたし、帰りは地下鉄で行くと決めていましたし、そして何より地図がありましたので最寄の駅へ歩く事にしました。距離的にはすぐのハズ……だったのですけれど。
何故か駅が見えてきません。
仕方が無く、近くを通り掛かった白いタクシーを止めて最寄の駅名である「クァンナルステーション」と一言。
発音が悪かったのか分かってもらえず、地図を示して「イゴ、イゴ(これ、これ)」と言うとようやく分かって貰えたのか、タクシーは走り出しました。
「クァンナル駅」と言えれば良かったのですけれど、実は「駅」を韓国語で何と言えばいいのか知らなかったのです。ヒェミさんに聞いておくべきでした。
しかし……。
暫く走った所で突然タクシーが止まり、何か巻くしたれられました。
え? え? ここ駅なの? よく分からないのですけれど、ともかく怖い顔してなんか言われるので仕方なくお金を払ってタクシーを降りると、その場に居た人が代わりに乗り込んで行きました。
え!? もしかして韓国語分からない客なんか降ろして別の客に乗り換えたってこと!?
それはヒドいよ! あんまりだよ!
しかし、そのタクシーの運転手さんは英語の単語さえほとんど通じなかったので何も言えず、見送るしかなかったのでした……。
というかですね。ここ、何処!?
自分が今、地図上の何処なのかがわからず途方に暮れてしまいます。でも新しいタクシーを止める気にもなれず、何処へ行くのかもわからないバスに乗る気にもなれません。道路の分岐点の看板にもよくわからない地名が書かれています。
どうしよう、どうしようと見回して目に留まったのが――警察官!
二人組みの警察官の方々が横断歩道の真ん中の島に立っていたのです。交通整理か何かでしょうか。
そうだ、警察の方ならきっと英語もわかるはず!
近付いて言ってニコニコしながら「アニョハセヨー」と挨拶。お巡りさんもアニョハセヨーと返してくれました。
そしておもむろに
Where is this?(これはどこですか?)
と聞いてしまった後、ハタと気づいて
Where is here?(ここはどこですか?)
と言い直しました。そして地図を見せるとやはり警察の方は英語OKらしく、すぐに英語で答えながら地図を見て場所を教えてくれました。
地図で見るとどうやら近くに駅は存在していたみたいです。
あのタクシー運転手さん、単に面倒だから下ろしたのではなく、駅の近くに着いたから降りろと言っていたのかもしれません。大通りから外れて駅まで行くのを渋ったのは間違いありませんが。
ともかく、「キンポ空港に行きたいんですよー、最寄の駅は何処ですか?」的なたどたどしい英語で聞いてみると、分かってくれたのか駅の方向や地図に載っていた乗換え案内とかも詳しく丁寧に教えて下さいました。やっぱりお巡りさんって何処の国でも親切なのね!
カムサハムニダー、サンキュー!と手を振りながら駅に向かいました。
地下鉄に乗って大人しく本を読んでいると突然、韓国語で何か大声で言っている人が近付いてきたのです!
何事かと驚きましたけれど、別に私に近付いてきたわけではなく、何かを車内の人々に語り掛けているようです。その口調には非常に熱が篭っており、さながら演説のようです。
ふと「もしかして反日的な演説だったりして!?」と思って、読んでいた本を閉じて様子を見る事にしました。反日的な演説だったとしたら、日本語で書いてある本を読んでたら怖いじゃないですか!
ビクビクしながら通り過ぎるのを待っていると、突然手に持った何かを私の隣の隣の座席に置きました!
な、なんだろう……? と、隣の座席の人が手に取ったその何かを見てみると――
李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の応援名刺でした。
な、なーんだ。あの人は明博さんの支持者か何かで、アキヒロさんはいい人だからみんなも応援してねーとでも言っていたのでしょう。アキヒロさん大阪生まれだし、反日じゃないよね! よかったー。
そんなハプニングがありるつも、地下鉄では乗り換えも間違える事無く(駅名は韓国語の他に漢字と英語でも書かれてるので、地図に付いていた地下鉄マップと比較参照しながらバッチリ乗り換えました)無事にキンポ空港に辿り着く事が出来ました。
飛行機の出発時間までジャスト一時間半!
空港に着けば一安心です。空港の係員さん達は基本的に英語だけでなく日本語もOKなのですごく楽に手続きをする事が出来ました。行きのようなトラブルも無く荷物を預け、入国審査もパス。
言葉が通じるってすごい重要な事ですね!
今度海外旅行する時は、良く使う言葉くらい覚えなきゃと思いつつ飛行機の出発時間を待つのでした。
帰りの飛行機も滞りなく出発、どうやら日本への入国申請書は機内では書かないらしくリラックスしてフライトを楽しむ事が出来ました。
そして無事に羽田空港に到着した――までは良かったのですけれど。半分予想しつつも半分楽観もしていた事態に直面。
荷物受け取りに予想以上に時間が掛かってしまいました。
荷物受け取り所に着いてから受け取るまでの時間、実に――30分。
この30分が致命的でした……。
京浜急行で羽田空港駅から横浜まで直行。そこからJR東海道線でイズルードまでは行けるのですけれど……そこで終電を迎えてしまったのです。家までまだ数駅あるのに!
携帯電話の乗り換え案内では横浜駅から7分で特急に乗り換えれば間に合うとか出てたのですけれど、その時間で広い横浜駅構内を移動して特急券を買って特急列車に乗り込む、までの時間的余裕は無く。結局鈍行列車でイズルードまで行くしか無かったのです。
イズルード駅を降りてみると――

列車を降りると、そこは雪だった
なんか雪まで降ってるし!
歩いて帰るには距離もありますし、傘も無いので雪が降っていてはそもそも歩けません。
仕方が無いのでイズルードからはタクシーを使って家へ帰りました。
タクシー料金は時間距離換算で、韓国の10倍くらいの料金でした。
あぁ、日本のタクシーは高いなぁとシミジミ感じた雪の夜でした。でも、言葉が通じるって素晴らしいよ!
バーチャルネットプリーストさやさやは気の良いタクシー運転手さんを応援しています。
というわけで、連続更新っぽい感じだった韓国旅行記はこれで終了です!
次回からは予定していたヘイロー3日記が始まるよ!
いつ始まるかは神のみぞ知る、ですけれどね!